漁獲
日本各地(南は鹿児島から北は宮城県の仙台湾までの外海、及び黒潮の支流が入り込む湾内が水揚げ地)で、主に3~10月に掛けて水揚げがあり、それぞれの漁師が自社で加工したり、地元の加工業者様に販売しています。
丸千千代田水産で扱う中でも代表的な6種類の商品について、生産から販売までのストーリーを紹介します。
6つの商品をクリックすると、それぞれの商品ストーリーを見ることができます。
ストーリー #01
日本各地(南は鹿児島から北は宮城県の仙台湾までの外海、及び黒潮の支流が入り込む湾内が水揚げ地)で、主に3~10月に掛けて水揚げがあり、それぞれの漁師が自社で加工したり、地元の加工業者様に販売しています。
各産地の加工業者様が入札あるいは相対取引で仕入れた生しらすを、それぞれ独自の加工方法によってしらす干しを製造します。しらす干しは約3%の塩水で茹で上げたもので、現在は機械で乾燥する事が主流ですが、昔ながらの天日乾燥で仕上げている加工業者様もいます。
全国各地の加工業者様が豊洲市場へ出荷し、当社のセリ人が入札という取引方法で販売します。毎日20~30人の仲卸業者様や売買参加者様が入札に参加します。5月から6月にかけての最盛期には1日で100t以上の取引がされる事もあります。
入札で落札したしらす干しを小分けにしてスーパー様・量販店様や問屋様へ販売します。最近では、手軽に食べられる事や栄養価が高いこともあり、学校給食、介護食、病院食やファミリーレストラン等の料理にも使用されています。
スーパー様・量販店様は主に小分けパックされた(30~100g)商品を販売しています。しらす干しは、スーパー様・量販店様の塩干部門において利益率の一番高い商材です。集団給食・外食等においても、減塩商品で栄養価も高いので、料理の具材として使用する業者様が増えてきており、需要が伸びています。
他に扱っている商品
煮干し / 小女子 / 干しするめ / 干しエビ
ストーリー #02
販売前年度の12月~翌年4月頃までアジア地区で採捕されるシラス(稚魚)の漁獲量により価格相場が決まります。その状況も踏まえ、生産者様と来期の販売計画を考えていきます。
池入れされたシラス(稚魚)の育ち具合、池にいる鰻の成長度合いや現在取引されている鰻の相場なども考慮して、池揚げ時期を加工場と打合せして決めていきます。
年次によって大きく異なりますが、加工場では今年の鰻の出来高(サイズや尾数、価格)に沿った商談を行い、当社でどの鰻を仕入れるか決めていきます。
メーカー様と全体的な尾数やサイズなどに沿った価格の交渉と商品の規格づくりを行います。
価格帯が決定するのと同時に商品づくりを行いますが、それと並行してスーパー様・量販店様、問屋様などのお客様に向けて提案商談を行い、得意先様ごとに販売商品及び数量を決めていきます。
価格などが決定された最終商品は、各スーパー様・量販店様の販売促進計画にともなって販売され、一般消費者様の元に届いていきます。
他に扱っている商品
韓国海苔 / 塩辛や松前漬けなどの珍味 / もずくや、わかめ等の海藻関係 / サケフレークやのりビンなどの瓶商材
ストーリー #03
一般消費者様の暮らしぶりの分析や、魚の相場・水揚げ状況、スーパー様・量販店様などの納品サイズ等を調査します。(暮らしぶりの分析に関しては、販売データ、家計データ、食卓データ等を参考にします。)
年間の安定供給の為に魚の旬の時期に産地まで赴き現地で検品を行います。ここでは、鮮度・品質・脂質・相場などを加味して仕入れを行います。旬の時期がずれる事や海水温の上昇などで上質な原料が少ない時もあり、年々仕入れの状況は厳しくなってきています。
仕入れをした原料をメーカー様と再度検品し、鮮度・味・品質・脂質・サイズ・価格を踏まえて規格を打合せします。得意先様の要望がある場合は、得意先様のバイヤーと一緒になって乾燥時間・塩度・サイズ選別を考え、トレーを選定しシールも作成する場合もあります。
商品作成が完成すると今後の展開を得意先様と打合せをします。定番商品として1ヶ月にどのぐらいの数量を販売していくか、また特売商品として販売数量の予定を決めて原料の消化数量も試算していきます。
納品が決まったら終わりではなく、ここからが始まりでもあります。販売状況や末端視察を行いながら品質の継続性も確認。マンネリ化を防ぐ事も念頭に入れて枚数を変えたり、醤油干しやみりん干し、お茶干し、灰干しなどの商品作成の打ち合わせも実施します。
他に扱っている商品
鯵の開きを中心にほっけの開き(縞ほっけ・真ほっけ) / さば関係(鯖フィーレ、鯖開き、鯖文化干し他) / 金目鯛開き / かます開き / のどぐろ開き
ストーリー #04
春に漁獲される小女子の中から佃煮に向いている原料を選別し、買い付けを行います。小女子は西は瀬戸内海、北は三陸や北海道でも漁獲されるため、その年で一番質がよく佃煮向きの原料を買い付けることによって、おいしい佃煮になります。近年は原料事情が悪く、国産だけではまかなえないため、中国産や韓国産の小女子の原料も使用しています。
主にアメリカ産のくるみが使われています。収穫時期は9月~10月。原料を厳選する為、現地まで買い付けに行き、炊き合わせても風味が残るくるみを見極め、仕入れを行います。
収穫した原料をメーカー様で炊き合わせ、製造します。各メーカー様ごとに味付けや特徴、グラムなどが違います。当社で重点的に販売する商品は、小女子とくるみの比率やグラムなどを指定し、メーカー様に作成してもらいます。
小女子とくるみの原料の価格決定後、割合などを考え今年の値段を決定します。年ごとに価格が変わってしまうため、お客様に満足してもらえる規格を決めるのは苦労する場面でもあります。
毎月の商談では、今年の原料状況や相場を確認しながら話をしていきます。お客様が判断に迷っているときは試食をしてもらい、他社との比較を行い、導入してもらえるよう商談します。時には特売の相談もあるため、メーカー様と交渉を行い、お客様の要望に応えられるようにしていきます。
商品を導入後はそのお店を視察して、販売価格やどのように販売しているかなどの確認を行い、次回の商談や他のお客様との商談に役立つよう情報収集していきます。
他に扱っている商品
餃子や焼売などの中華点心類 / 味付けもずくなどの海藻類 / ソーセージやピザなどの肉加工品類 / 和菓子や洋菓子などのデザート類
ストーリー #05
各メーカー様は地元の水産加工組合様や水産加工商社様などから、主原料となる「すり身」を仕入れます(冷凍すり身が主流)。冷凍のすり身の固まりは、専用の解凍機にのせて解凍され、何個かの大きめのブロックに裁断し、次の工程に移ります。
大きめに裁断した「すりみ」に塩と調味料を加え、石臼ですりつぶします。この工程を擂潰(らいかい)と言います。石臼を使う事で、魚肉の繊維を壊さず、熱を石が吸収し、タンパク質の熱変性が起こりにくくなる為、しなやかな弾力が生まれ、美味しさに違いがでます。
すり身を成形したのち一晩寝かせ(すわりと呼びます)ます。さつま揚げのすわり工程には、高温すわり、低温すわり、又はすわりをかけずに熱を加えるものもあります。一般的にすわらせることで、練り製品は食感と弾力を維持できます。油で中心までしっかり揚げて、製品にします。
発注書に沿って集荷された商品は、かご車やパレットに種別に分けてのせられ、トラックに積み込まれます。遠方のメーカー様からは、飛行機へのせて、翌日の早朝には豊洲市場に並びます。
スーパー様・量販店様には事前に各バイヤー様と商談をし、商品規格や価格をきめます。商談を行う際は、得意先様のニーズを聞き出し、本当にお客様が望むものを提供、提案する事が必要です。セリ場では相対取引(商品を見せながら価格を問屋様などと交渉して値決めします)にて販売します。
問屋様やセンターから店頭へ商品が配送され製品が並びます。定番の商品は棚にきちんと並び、スポット特売の商品は平冷ケースや下段に特売の目玉として陳列されます。POPや商品特徴を店頭で掲示して販促をかけたり、試食販売などで一般消費者様へ販売されていきます。
※スポット特売:特売商品とは別でフェア等、単発的に販売するもの。
他に扱っている商品
肉製品全般:ハムやベーコン、ウインナーなど / 菓子類全般:和菓子・洋菓子など / 麺類全般:うどん・ラーメン・そば・パスタなど / 水物全般:豆腐・こんにゃく・ところてんなど。